講演抄録

9:40〜10:15

神奈川歯科大学 歯内療法学講座 石井信之

[演題]

三次元歯内療法の最終章

[講演抄録]

歯内療法の成功は理論的に機械的清掃と化学的洗浄による根管内の無菌性獲得と緊密な3次元封鎖によって導かれる。マイクロスコープによる歯科治療は、従来見ることが出来なかった根管内を直視下で見ることによって確実な診断と治療手技を実現させた。さらに、超音波を応用した根管洗浄や形状記憶合金を応用したNi-Ti ファイル、および加熱根管充填装置は歯内療法を大きく変化させた。最近、開発されたシングル・ファイル・Ni-Tiシステムは従来のNi-Ti ファイルと比較して、さらに迅速で正確な根管形成を可能にした結果、効率的な感染除去を実現した。本システムは治療時間短縮と同時にtransportation, ledges, blockageなどの偶発事故発生を減少させ、三次元根管封鎖が可能な加熱根管充填装置は臨床成績を向上させた。本講演は、技術革新に成功した歯内療法に必須のアイテムになったマイクロスコープと新規器具・材料を使用した3次元歯内療法について概説する。

10:15〜10:50

Dr. Marcelo Munhoz

[演題]

アクシデントと合併症への対処:マイクロスコープの有用性

[講演抄録]

抄録は英文のみです。英文の抄録は、Abstractをご参照ください。

11:00〜11:35

鈴木真名

[Title]

インプラント周囲軟組織の退縮に対するCTGの適応

[講演抄録]

インプラント治療が一般化し、広く用いられるようになった事は非常に望ましい事である。しかし、一方で決して少なくない人達が自身の受けたインプラントに不満を持っているという現状がある。それは審美ゾーンへインプラントが安易な考え方で広く使われるようになった事が様々な問題を引き出す結果となり、審美性への不満といった形で現れてきたと考える。
現在、インプラント治療による審美性の獲得といったテーマで雑誌、講演などでどのようにしたら安全な審美インプラント治療が可能になるのかといった内容をKoisのリスクファクターを取り上げた文献などから発表されているが、失敗したケースに対しての対処方についてはあまり多く報告されていないのと同時に確立されていない。よって今回、インンプラント周囲軟組織の退縮がインプラント治療後に起こってしまったケースに対する対処方のひとつとして、結合組織移植を用いた解決法を提示し考察したい。

[略歴]

  • 1984年  日本大学松戸歯学部卒業
  • 1989年  鈴木歯科医院 開業

[所属団体]

  • 日本歯周病学会 専門医
  • 日本臨床歯周病学会 指導医
  • AAP(アメリカ歯周病学会)
  • AMED ボードメンバー

[スタディーグループ]

  • SJCDインターナショナル 常任理事
  • 東京SJCD 顧問
  • OJ副会長

11:35〜12:10

代官山アドレス歯科クリニック 大河雅之

[演題]

審美修復治療の最前線-MIを考慮した審美修復治療とは?

[略歴]

  • 1962年 岩手県出身
  • 1987年 奥羽大学歯学部卒業
  • 2001年 代官山アドレス歯科クリニック開院
  • 東京SJCD理事
  • 審美歯科学認定医
  • 顎咬合学会認定医
  • AMED(全米マイクロスコープ歯科学会)会員

[講演抄録]

審美修復治療は、バイオミメティクスアプローチという考え方の浸透,接着技術と疾患の原因に対するアプローチが進んだ現在、必要最小限の処置で適切な効果をあげる治療が目指されている。技術的にはマイクロスコープの応用により高い精密性と予知性が得られてきている状況にある。また、治療における専門性はより高度になり、最良の審美的結果を得る為にはチームアプローチはかかせないものとなっている。
スペシャリストが集まり、考えぬいた治療計画とそのシークエンスは無駄がなく結果としてMIへとなっていく症例が多い。
インターディシィプリナリーアプローチ成功のための鍵は、治療計画段階からの専門医間の密な連携と治療のゴールのイメージを相互に共有することにある。本講演では審美修復治療におけるMIを考慮した治療計画、ポーセレンボンデッドレストレーションにおけるマイクロスコープの有用性とインターディシプリナリーアプローチのマネージメントについて臨床症例をとうして解説したい。

13:40〜14:15

鶴見大学歯学部歯周病学講座 五味一博

[演題]

鶴見大学歯学部におけるマイクロスコープ活用の現状

[講演抄録]

鶴見大学歯学部における顕微鏡設置状況は保存科で2台、初診科で1台の計3台が現状である。ユニット総数200台以上を有する歯科医療機関において、いかに普及されていないかが明らかである。顕微鏡の使用目的の多くは先進医療であるCTとマイクロを用いた歯根端切除術と根管治療がほとんどであり、次いで歯周形成外科が上げられる。この様に大学において普及率が極めて低い理由として、歯学部を取り巻く環境の厳しさが上げられる。すなわち学生減少に伴う医局員の削減、教育への負担増さらに医局員削減にもかかわらず患者数が増加していることが上げられる。この様に以前はじっくりと患者を治療できた環境がなくなり、患者数を多く見なければ行けない状況に置かれていることも顕微鏡が大学病院内で普及しない大きな理由となっている。また、医療経費の削減圧力が年々高まり顕微鏡自体の導入が難しくなっている。反面、顕微鏡の必要性は歯科医師の間で認識され、保存会局員の96%が必要と考えている。この様な状況の打破には、顕微鏡を学生教育の中に少しでも導入していくことが必要と考える。顕微鏡の使用は歯科医療の質の向上に極めて重要であり、今後の大学での取り組みを真剣に考える必要がある。

14:15〜14:50

Dr .Chunchi Peng

[演題]

マイクロスコープの日常臨床への統合

[講演抄録]

抄録は英文のみです。英文の抄録は、Abstractをご参照ください。

14:50〜15:25

CIDクラブ おがわ歯科クリニック 小川秀仁

[演題]

歯科用CT診断とマイクロスコープ使用による根尖切除術の臨床評価

[講演抄録]

・ 目的:歯科用CTによる三次元画像診断と歯科用マイクロスコープの臨床応用は、歯科医療分野すべてにおいて正確な診断と治療に貢献している。本研究は根管形態の把握や根管充填後の根尖歯周組織の診断に有効である歯科用CTの歯内療法外科領域での有用性検討することを目的として臨床的評価を行った。
・ 材料と方法:おがわ歯科クリニックに2008年〜2011年に来院した32〜70才の患者(平均年齢48才)20名から根尖切除手術適応症例、合計20症例に対して歯科用CTによる三次元画像診断と歯科用マイクロスコープによる根尖切除手術を行った。初診時診断には歯科用エックス写真と歯科用CBCT(Cone Beam Computed Tomography)撮影による根尖歯周組織の骨吸収状態および根尖部形態を診断後、治療計画(手術方法)を立案した根尖切除手術の術式において、歯槽骨削除と根尖部窩洞形成に超音波器具を使用し、逆根管充填材にMineral Trioxide Aggrigate(MTA)セメントを使用した。側枝が感染原因の症例に対してもMTAおよび2例のみEnamel Matrix Delivertive を併用し6ヶ月から3年の術後経過を臨床症状、CBCTによる三次元診断および歯科用X線によって根尖歯周組織の変化を観察した。
・ 結果および考察:CBCTによる三次元診断により根尖歯周組織の骨吸収状態および根尖部形態が正確に把握可能になり、疾患原因が特定され手術部位の位置と術前に手術シミュレーションが可能になった。術後の根尖歯周組織の治癒状態が正確に把握出来たことにより根尖切除手術の治療成功率の向上に貢献した。
根尖切除手術へのCBCTによる診断は歯槽骨削除を最小限に抑え、手術手技の正確さ向上、簡素化、および手術時間の短縮が可能になった。また、マイクロスコープの根尖切除手術への応用は、明視野で正確な処置を可能にし、手術成功率および術後の予知性を高める事が期待される。

[略歴]

  • 1994年 日本歯科大学歯学部卒業
  • 1999年 おがわ歯科クリニック 開業
  • 日本口腔インプラント学会会
  • ITI member
  • AMED member
  • CID club 実行委員
  • 日本大学松戸歯学部放射線学講座研究員
  • 日本顕微鏡歯科学会会員
  • 日本放射線歯科学会 優良医
  • Tokyo SJCD会員
  • NPC 会員

15:45〜16:20

Dr .Glen Williams do Camo

[演題]

日常臨床に於けるマイクロスコープの使用に付いて: 一般治療からペリオサージェリーまで

[講演抄録]

抄録は英文のみです。英文の抄録は、Abstractをご参照ください。

16:20〜16:55

CIDクラブ、SJCD、中田歯科クリニック、 中田光太郎

[演題]

インプラント プラスティック サージェリー
マイクロサージェリーによる乳頭再建術

[講演抄録]

【目的】
近年、審美的な要求の拡大に伴い、軟組織を含めた審美性を達成するため、多くの歯周形成外科処置、ならびにインプラント周囲組織形成外科処置が新たに提唱、臨床応用されている。特にインプラント治療においては乳頭の再現は、審美的な結果の上でも非常に重要視されている。しかしながら乳頭組織は個体差が大きく、生物学的な影響も大きい特異的な部位であり、その保存ならびに再建術は難易度が高く、現在トピックスとしてとらえられている。乳頭組織という非常に狭い、アクセスの難しい、微細な部分にアプローチするため、マイクロサージェリーの効果が発揮される領域であり、今回インプラント間乳頭における乳頭保存・再建術についての考察、また生物学的な原則からの適応と限界について、総括的に検討したい。
【方法】
条件の異なるインプラントーインプラント、天然歯-インプラント、インプラントーポンティック、にサポートされた乳頭について、それぞれ臨床例よりその術式、経過、文献からの考察を通して、そのマイクロサージェリーによる再建術について有効性を評価した。
【結果】
生物学的な原則、および骨と軟組織の関係を常に配慮しながら行なう乳頭再建術は、有効な処置法である。また、マイクロサージェリーによるアプローチは、裸眼下では難しいセンシティブな処置を可能にするといえる。
【考察および結論】
1998年、Garberらにより天然歯やインプラント修復物、ポンティックがサポートする乳頭組織について、その垂直的な高さの獲得について修復物がもたらす影響について有効なデータが示された。それに則って、乳頭の保存・再建という観点からは生物学的な原則に厳格に従う必要があること、すなわちそこには一定の限界があるということ、その上で条件が整っていれば乳頭の造成術は非常に有効な処置法であるといえる。
ただし、現在のところ、広く認知され固定された術式が存在しないため、今後長期経過を踏まえたデータを蓄積することが重要であろう。また、マイクロサージェリーのアドバンテージが有効な部位であるため、予知性の高いスタンダードな術式を提唱できるよう努めていきたい。

[略歴]

  • ● 教育・トレーニング
  • 1990年 九州歯科大学歯学部卒業
  • 1994年 医療法人 社団洛歯会 中田歯科クリニック開設
  • 2009年 デンタルクリニック TAKANNA 開設
  • ●役職・所属学会
  • 1990年〜 日本口腔インプラント学会
  • 2004年〜 ITIメンバー
  • 2005年〜 AMED Member
  • 2006年〜 日本臨床歯周病学会
  • 2007年〜 日本顕微鏡歯科学会